この記事を読むと、バレエが伸びる子の特徴と伸びる子になるために必要なことがわかります。
バレエって素人にはとても難しい世界だけど、うちの子はこのまま続けて伸びるのでしょうか?バレエが伸びる子に育てるには何が必要?
こんな疑問に元バレエ教師がお答えします。
バレエはバレエ向きの骨格をしている人のために作られていると言ってもよいでしょう。
しかし、日本人のほとんどがバレエには向いていない骨格で生まれてきています。
それでも日本人ダンサーが活躍しているのは、きちんとしたレッスンを受けているのはもちろん、内面からバレエダンサーに適しているからです。
自分のビジョンを明確に持ち、自分の頭でしっかりと考えられる人間でなければ、どんなに恵まれた体型でもプロにはなれませんよ。
バレエで忙しく、学校の勉強はあまりできていないはずなのに、成績が良い子が多いのもバレエっ子の特徴です。自分のことは自分できちんと考えて行動に移せる子はバレエ以外でもその才能を生かしていけますよ。
バレエが伸びる子の特徴3つ
バレエ教師として子供を見ていると、もともと上手な子と今はそうではなくても伸びそうだなと思う子がいます。
もともと上手な子はいわゆるセンスが良く、こちらが指導しなくてもできてしまうような子です。
このような子はまれにいますが、成長期で身体の変化とともにできていたことができなくなり、どんどん埋もれてしまうことも。
上手な子もそうでない子も自分の頭でしっかりと考え、理解をしてレッスンすることがとても重要です。
目標、目的がしっかりとしている
プロのダンサーになる。海外のバレエ団で主役を踊る。
そういい続けていた私の友達は、実際に夢を叶えています。
好きだからという理由だけではなく、具体的に自分の将来を描いている子こそ伸びる子です。
もちろんそのために周りの家族の協力は不可欠ですが、やはりまずは本人の本気度です。
なんとなく周りがコンクールに出ているからコンクールに出るのではなく、コンクールに出たら上位入賞する、〇〇バレエ学校のスカラシップをもらうなど、具体的に目標を定められる子のほうがやはり成長していきますよ。
頭の回転力
バレエには頭の回転力が必要です。
思いもよらないときにバランスを崩してしまったり、テクニックを失敗してしまっても、いかに失敗と見せないようにするかを一瞬で判断しなくてはなりません。
舞台上での予期せぬトラブルや状況判断など、ただバレエを踊るのが上手いだけではどうにもならない状況になることはよくあります。
そんな時にもきちんと正しい判断ができ、お客様に舞台を楽しんでもらうことができてこそ本物のダンサーと言えますよね。
もちろん普段のレッスンでも頭の回転力は必要です。
レッスンのステップの順番(アンシェヌマン)を瞬時に覚えることもそうですし、先生の注意をきちんと頭に入れておく必要もありますよね。
普段の生活でもとっさに状況判断できるようにしたり、自分で考えることを癖にしておくことでバレエも伸びるようになっていくと思いますよ。
これはバレエダンサーにならなくても一生役に立つスキルにもなります。
バレエと勉強を両立する方法についてはこちらのバレエと勉強を両立する3つの方法【元ダンサー兼国立大生が伝授】で詳しく解説しています。
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バレエと勉強を両立する3つの方法【元ダンサー兼国立大生が伝授】
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素直な心
言われたことを素直に直すことはバレエを伸ばすうえで重要です。
バレエは自己満足で終わってはいけません。
自分でできていると思っていても、見ているお客様ができていないと思えば全くできていないのと同じことになります。
レッスン中に先生に注意したことを素直に直せない生徒はいつまでたっても上達しません 。人に見せ、見てくれた人がどう思うかが大切なので、そこに自分の判断は必要ないのです。
直されたことを素直に直そうとするのは実は難しいことです。
ある程度長年バレエをやっていれば多少のプライドはあるでしょう。
それでもそのプライドを捨て、謙虚に努力できる素直な生徒ほど、どんどん伸びていきましたよ。
バレエのセンスを言葉にしてみる
あの子はセンスがある。
バレエ界にいれば必ず一度は耳にしたことがあると思います。
いったいバレエのセンスとは何を表しているのでしょうか。
私はセンスとは生まれ持ったもので、指導しなくても自然とできている才能のようなものだと考えています。
実際にそのようなバレエのセンスを持っている子はよく指導してきました。
その経験からバレエのセンスを具体的に言葉にしてみたいと思います。
リズム感
クラシックバレエと音楽は切っても切れない関係にあります。
特に全幕ものは音楽も物語の一部として踊りとともに物語を展開していますよね。
コンクールなどで全く同じ課題曲を使って踊ることがありますが、ほんの少し音の取り方を変えて踊れる子がいます。
レッスン中でもみんなで同じ曲を使って踊ると思いますが、音に外れているのではなく、ぴったり当てはまりすぎているのでもなく、まさに音とあそんでいるかのような踊り方です。 こればかりは教えられるものではありません。
もし自分にはその才能がないなと思ったら、細かい伴奏まで意識して聞く癖をつけましょう。
まずはコンクールや発表会で踊る曲を暇なときにずっと繰り返し聞きます。
振り付けを思い浮かべながら聞くと、少し長くバランスやポーズを見せられそうな場所や、早くポーズを決めたほうが印象付けられる場所などが分かってきますよ。
目線、首のラインなど見栄えの華
目線や首のラインが指導しなくても自然にできる子はとても上手に見えます。
バレエのスタイルを作るうえで、目線や首の動きはとても重要な役割をしていますが、はじめからできない子がほとんどです。
自然とそのスタイルを作ることができ、なおかつ踊るキャラクターに合ったものができる子はセンスがあるなと感じます。これも生まれ持った才能のひとつでしょう。
足りないなと思ったら、徹底的に研究してください。
自分の首のラインを鏡で研究したり、プロのダンサーの目線のつけ方を研究するのなら家でもできますよ。
表現力
コンクールのような背景が何もない舞台でも、周りに誰かいたり、背景が見えてくるような踊りをする子がいます。
指導しなくてもこれができる子は表現力が素晴らしい子ですね。
例えばコンクールの踊りをとってみても、全幕もののある場面のあるキャラクターの踊りであることが多いと思います。
きちんと意味のある踊りであればそれを伝えなくてはならないですし、そうでなくても見ている人を楽しませることのできる踊りでなくてはなりません。
どんなに美しく踊っても、そこに心が込められていなければ伝わることは何もありません。
ただきれいだったね。という感想のみで終わってしまいます。
そして、いつか主役を踊れるようになったら、物語も表現していかなければなりません。
喜びの場面だけでなく、涙を誘うシーンもあります。
そのような役柄に挑戦していくことまで考えたら、やはりダンサーにとって表現力は重要です。
今学生のダンサーに出来ることは、自分の気持ちを込めて踊ること。
それが本当にできていればお客様にも必ず伝わるようになりますよ。
骨格が不向きでもバレエが伸びる子になるには
バレエはバレエ向きの骨格でなければ上達するのは難しいと言われます。
しかし、私たちはただでさえ日本人で、そもそもバレエ向きの骨格ではありません。
もちろん日本人でもバレエ向きの骨格の持ち主はいると思いますが、今活躍している日本人ダンサーは全員バレエ向きの骨格でしょうか?
そんなことはありません。
その代わりにきちんと努力をして骨格をカバーしていますよ。
常に自分の欠点と向き合う
自分の欠点はいつも忘れずにどうやったら改善できるかを考え続けましょう。
辛くなる時もありますが、欠点=人よりマイナスな部分であるため、そもそものスタート地点が人よりも後ろなのです。
それに目をつぶってテクニックを伸ばそうとしても、基礎がきちんとできていなければいつか崩れてしまいます。
そしてそれが原因でケガにつながり踊れなくなってしまうということも。
そうなる前に謙虚に欠点と向きあい、努力を続けましょう。
特に気を付けたい骨格の欠点
- 股関節が固い
- O脚
- 足首が固い
- 足の甲が出ない
これらは日本人によくありますが、このような体型でも努力で変えていくことはいくらでもできます。
ただし、身長が低い人は成長期のうちに必ず伸ばしておきましょうね。
そうでないとプロとしてバレエ団で踊ることができない可能性もありますよ。
バレエに身長が重要な理由はこちらのバレエに身長は必須条件!低いと困るバレエの残酷な現実と対策で詳しく解説しています。
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骨格は筋肉でカバーする
骨格の欠点は筋肉を鍛えることでカバーすることができます。
骨格はあくまでも骨の形であって、その骨を動かすのは筋肉だからです。
骨格によって骨の動かしやすさは変わりますが、骨とは違って筋肉は鍛えることができます。動かしづらい骨の形をしていても、筋肉を訓練することできちんと動かせるようになっていきますよ。
もちろん簡単なことではありません。
しかし、骨格がバレエ向きではないからと言ってあきらめるのはまだ早いです。
正しい知識を身に着け、努力を積み重ねていくことで必ず変わっていきますよ。
プロになりたいと思ったときのバレエ教室の選び方はこちらのバレエ教室の選び方で子供の人生が変わる【プロを目指す子向け】を参考にして下さいね。
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バレエが好きな気持ちを忘れない
バレエが好きでもっと上手になりたいという気落ちは忘れずに。
この気持ちがなくなってしまってはどうして頑張っているのかわからなくなってしまいます。
バレエの世界はとても厳しいです。日々のレッスンも自分の欠点と向き合い続けなくてはならず、精神的につらい時期も必ず来ます。
それでもやっぱり自分はバレエが好きという気持ちが支えになって乗り越えることができるのです。
もし、お子さんが本気でバレエをやめようかを悩んでいたら、この気持ちを思い出させてあげてくださいね。
バレエが伸びる時期についてはこちらのバレエにも伸びる時期がある!上達のために意識したい環境づくりも合わせてご覧ください。
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まとめ:バレエが伸びる子に誰でもなれる!
今回はバレエが伸びる子について話しました。
きちんと目標を持ち、自分の欠点を素直に受け入れて努力ができる子でないといつまでもバレエは伸びません。
また、バレエはきちんと理解して自分の頭で考えることも必要です。
今センスを持っていないと思っても、努力で手に入れることもできます。
バレエ向きでない骨格も努力でカバーできます。
諦める前にまず努力してみてくださいね。
バレエでプロになれる子についてはこちらのバレエでプロになれる子とは?【コンクール入賞よりも大切な才能】も合わせてご覧ください。
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